「最近、親の運転がちょっと心配……」
「車に傷が増えたけれど、本人はまだ大丈夫と言っている」
「免許返納を勧めたいけれど、どう話せばいいのかわからない」
高齢のご家族がいる方の中には、運転についてこのような不安を感じることがあるのではないでしょうか。
車は、買い物や通院、仕事、趣味など、日々の生活を支える大切な移動手段です。特に車が欠かせない地域では、免許返納は単に「運転をやめる」というだけではなく、その後の生活にも大きく関わる問題です。
では、高齢の親の運転が心配になったとき、どのように考えていけばよいのでしょうか。
1. 「高齢だから運転をやめる」と決めつけないことも大切
高齢になると、視力や反応速度、認知機能、身体機能などに変化が生じることがあります。一方で、年齢だけを理由に「もう運転は危険」「免許を返納したほうがいい」と一律に判断することもできません。
大切なのは、現在の運転にどのような変化が起きているのかを確認し、その人自身の状態を踏まえて考えることです。たとえば、次のような変化がないか、一度振り返ってみましょう。
- 車庫入れや駐車に時間がかかるようになった
- 車をこする、ぶつけることが増えた
- 信号や標識を見落とすことがある
- 右左折や車線変更に不安を感じることが増えた
- アクセルとブレーキの操作が心配になった
- 慣れた道でも迷うことがある
- 家族が同乗していて「危ない」と感じる場面が増えた
- 本人自身が運転に不安を感じるようになった
こうした変化が気になったら、家族だけで判断するのではなく、専門職に相談してみるのも一つの方法です。
2. 免許返納を考える前に「今の運転能力」を確認する
「そろそろ免許を返納したほうがいいのでは?」と思っても、本人にとっては簡単に決められることではありません。長年運転してきた人にとって、車は移動手段であると同時に、自分で生活を組み立てるための大切な手段でもあります。
そのため、いきなり「免許を返納しましょう」と話をするのではなく、まず現在の運転能力や身体・認知機能などについて専門的に確認してみることも大切です。
内田病院では、高齢者やMCI(軽度認知障害)の方を対象に「ドライバーリハビリ」を行っています。ドライバーリハビリでは、次のような支援を行っています。
- 高次脳機能・認知機能・身体機能の評価や訓練
- ドライブシミュレーターを使用した運転能力の評価や、運転に関するアドバイス
- 安全に運転を続けられる方への、運転継続のための支援
- 運転の継続が難しい場合の、免許返納に向けた指導や支援、返納に対する心理的なサポート
大切なのは、「高齢だから運転をやめる」という考え方ではなく、その人の状態を確認しながら、これからの生活を一緒に考えていくことです。
3. 免許返納は「ゴール」ではなく、その後の生活まで考える
免許を返納すると決めたとき、多くの方が気になるのが「これからの生活」です。
「買い物にはどうやって行けばいい?」
「病院への通院はどうする?」
「今まで車で行っていた場所には行けなくなるの?」
特に車が生活の足になっている地域では、免許返納後の暮らしを具体的にイメージしておくことが大切です。だからこそ、免許返納を考えるときには、運転を続けられるかどうかだけでなく、返納した後にどのような生活を送るのかまで一緒に考えることが重要です。
- 買い物はどのようにするか
- 通院にはどのような移動手段を使うか
- 家族による送迎が必要か
- 公共交通機関などを利用できるか
- 介護保険サービスを利用できるか
- 日常生活で新たに困ることはないか
など、生活全体を見渡して考えていきます。
4. 必要な支援につなぎ、返納後も生活を途切れさせない
免許返納後の生活について、「家族だけで何とかしなければ」と考える必要はありません。運転に関する相談をきっかけに、買い物や通院、外出など、日常生活で困っていることがあれば、それを次の支援につないでいくことが大切です。
内田病院をはじめとする法人内には、相談員やケアマネジャーなど、介護や福祉、生活について相談できる専門職がいます。ドライバーリハビリで運転に関する評価や支援を行った後も、必要に応じて法人内の相談員やケアマネジャーなどにつなぎ、その方の状況に合わせたサービスや支援を一緒に考えていくことができます。
「運転について相談したら、それで終わり」ではありません。運転のことだけで終わらせず、その人の暮らしまで途切れさせない。運転を続ける場合も、免許を返納する場合も、その後も安心して生活できるよう、必要な支援につないでいくことが大切です。
5. 「運転をやめさせる」ことが目的ではありません
高齢の親の運転が心配になると、「もう車に乗らないで」「免許を返納して」と伝えたくなるかもしれません。しかし、本人にとって車を運転することは、単なる移動手段ではない場合があります。
買い物に行く。病院へ通う。友人に会いに行く。趣味を楽しむ。自分の好きな場所へ出かける。こうした一つひとつの行動が、その人らしい生活につながっています。
だからこそ大切なのは、運転を続ける・やめるの二択だけで考えるのではなく、「これからも安心して、その人らしく生活するにはどうしたらいいか」という視点です。
- 運転に不安を感じたときには、まず専門職に相談してみる
- そのうえで、必要であれば免許返納を考える
- さらにその後の生活についても、相談できる人やサービスにつないでいく
一つひとつの不安を次の支援につなげていくことで、免許返納後も安心して暮らせる環境を整えていくことができます。
6. 高齢の親の運転が心配になったら、まずは相談を
「最近、運転が少し心配になってきた」
「免許返納を考えたほうがいいのかわからない」
「返納したら、その後の生活がどうなるのか不安」
そんなときは、家族だけで結論を出そうとせず、専門職に相談してみてはいかがでしょうか。
内田病院では、ドライバーリハビリを通して、運転に関する評価や訓練、運転継続や免許返納に向けた支援を行っています。そして、必要に応じて法人内の相談員やケアマネジャーなどとも連携し、運転だけではなく、その後の生活についても必要な支援につなげていきます。
運転を続けることも、免許を返納することも、その人らしい生活を守るための選択肢の一つ。「親の運転が心配」と感じたときこそ、これからの暮らしについて考えるきっかけにしてみませんか。
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医療法人大誠会 内田病院 地域医療連携室
TEL)0278-24-5329
内田居宅介護支援事業所
TEL)0278-23-7535
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