気温と湿度が高い夏は、お肌にとっても過酷な季節です。とくに介護が必要な方は、自分で汗を拭くことが難しかったり、おむつの中が蒸れやすかったりと、皮膚トラブルのリスクがぐんと高まります。
「たかが、あせも」と油断していると、そこから細菌が入り込み、皮膚炎や感染症に発展することもあります。この記事の結論を先に言えば、大切なのはたった2つ。「トラブルが起きる前の予防」と、「少しの変化を見逃さない観察」です。介護の現場で私たちが毎日実践している、清潔ケアの基本をお伝えします。
1. なぜ、夏は介護中の皮膚トラブルが増えるのか
高齢の方の皮膚は、若いころに比べて薄く、乾燥しやすく、そして刺激に弱くなっています。そこへ、夏ならではの条件が重なります。
- 汗を自分で拭けない
横になっている時間が長い方ほど、背中や首の後ろに汗がたまり続けます。 - おむつの中が高温多湿になる
体温と水分で皮膚がふやけ、わずかなこすれにも弱くなります。 - 「かゆい」と伝えられないことがある
ご本人が訴えられないぶん、ご家族やスタッフの目が、唯一のセンサーになります。
2. 介護のプロが守る「清潔ケア」3つの鉄則
現場で私たちが大切にしているのは、次の3ステップです。順番にも意味があります。
- 「こすらず、優しく」洗う
皮膚が弱っている方は、タオルでゴシゴシとこするだけで傷ついてしまいます。石鹸をしっかり泡立て、手や柔らかいガーゼで、汗や汚れを「なでるように」洗い流しましょう。汚れを落とすのは泡の力であって、こする力ではありません。 - 「湿気」を徹底的に取り除く
洗った後は、皮膚の重なっている部分(脇の下、首の周り、おむつ周辺)の水分を、吸水性の良いタオルで優しく押さえるように拭き取ります。「乾いた」と思っても、皮膚のシワの間には湿気が残りやすいので注意してください。 - 「保護」して守る
皮膚が乾燥している場合は保湿剤を、逆に刺激から守りたい部位にはワセリンなどを薄く塗ります。皮膚の表面に一枚のバリアを張るイメージでケアをします。
3. 「これってただのあせも?」見逃してはいけないサイン
毎日のケアの中で判断に迷ったら、次の表を目安にしてください。
| 様子を見てよいこと | 受診をおすすめするサイン |
|---|---|
| 小さな赤いブツブツが、汗をかいた部分にだけ出ている | 赤みが広がってきた、汁が出ている |
| 清潔にして乾かすと、翌日には薄くなる | 痒がって何度も触る(ご本人にその素振りがある) |
| ご本人が気にする様子がない | 数日経っても治る気配がない |
右側の症状は、市販薬で様子を見るのではなく、早めに専門家の診察を受けるのが正解です。「皮膚のこと」は、専門の医師に診てもらうのが結局いちばんの近道になります。
4. 「医療」と「介護」の連携で安心を守る
私たちのグループでは、現場の介護スタッフや訪問看護師が皮膚の状態をチェックし、「少しおかしいな?」と思ったら、すぐにグループ内の医療機関と連携しています。もし皮膚のことでお困りなら、ぜひ内田病院の皮膚科をご活用ください。
- 専門医による適切な診断
皮膚トラブルの原因を的確に見極め、今の皮膚の状態に最適な塗り薬を処方します。 - 介護のプロからの引き継ぎ
「どのような環境で介護をしているか」「どんな生活習慣か」を私たちスタッフが共有しているため、皮膚科の医師も背景を理解した上で診察を行えます。
「これくらいで、病院に行っていいのかな……」
迷う必要はありません。高齢者の皮膚の悩みは、そのままにしておくと痛みやかゆみで眠れなくなり、生活の質(QOL)を大きく下げてしまいます。「軽いうちに診てもらう」のが、いちばん体にやさしい選択です。
5. 清潔ケアで、気持ちのいい夏を
お肌を清潔に保つことは、体調を整え、穏やかな気持ちで過ごすための第一歩です。ご家庭での介護で「どうやって清潔に保てばいいか分からない」「皮膚がすぐ荒れてしまう」とお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
介護の視点からのアドバイス、そして専門的な医療サポート。その両面から、ご家族が笑顔で夏を過ごせるよう全力でサポートします。
\ 皮膚のことで迷ったら、まずはご相談ください /
- ご自宅での清潔ケアのやり方をアドバイス
- 訪問看護・訪問介護のご相談
- 必要に応じて、内田病院 皮膚科の受診をご案内
医療法人大誠会 内田病院 地域医療連携室
TEL)0278-24-5329

