介護保険制度の「要介護度」は、支援がどれくらい必要かを7段階で示す指標です。その中でも「要介護5」は最も重度の状態で、日常生活のあらゆる場面で介助が必要となります。ご本人もご家族も、不安や負担が大きくなりがちな状況ですが、制度を正しく理解し、適切なサービスを活用することで、安心して日々を送ることが可能です。
この記事では、「要介護5」とはどのような状態なのか、受けられる支援の内容、日常生活の工夫、そして地域の福祉サービスの活用方法について、わかりやすく解説します。
「要介護5」とはどんな状態?
「要介護5」は、介護認定の中で最も重度とされる区分です。主に以下のような状態が見られます。
- 自力での起き上がり・立ち上がり・歩行が困難
- 食事・排せつ・入浴・更衣など、ほぼすべての生活行動に全面的な介助が必要
- 意思疎通が難しいこともあり、見守り・声かけが不可欠
- 褥瘡(床ずれ)予防や体位変換、経管栄養など医療的ケアが必要な場合も
受けられる介護サービスの一例
要介護5になると、介護保険で利用できるサービスの幅が大きく広がります。支給限度額(月額)は、約36万円(地域により若干異なります)と最も高く、さまざまな介護サービスを組み合わせて利用できます。
1. 訪問系サービス
- 訪問介護(ホームヘルプ): 入浴・食事・排せつなど、日常生活全般の介助を行います。
- 訪問看護: 医療的ケアや健康管理を行います。週複数回の利用が可能。
- 訪問入浴介護: 自宅での入浴が困難な方に専用車で訪問して支援。
2. 通所系サービス(デイサービス・デイケア)
- 医師やリハビリ専門職のいる通所リハビリ(デイケア)では、機能訓練や介護予防の支援が行えます。
- デイサービスでは、食事や入浴、レクリエーションを通じて社会交流の場を提供。
3. 短期入所(ショートステイ)
- 介護者の休息や一時的な対応が必要な際に、施設に数日〜数週間入所できます。
4. 施設系サービス
- 特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、常時介護が必要な方に対応した施設への入所も選択肢の一つです。
5. 福祉用具のレンタル・住宅改修
- 電動ベッドや車いす、ポータブルトイレなど、介護に必要な用具をレンタル可能。
- 手すりの設置、段差解消などの住宅改修も介護保険で一部補助が受けられます。
家族の介護負担を軽減するには?
要介護5の状態になると、24時間体制での見守り・介助が必要になるケースが多く、在宅での介護にはかなりの労力が必要です。
ご家族の負担を減らすためには、以下のような工夫が大切です。
- サービスの組み合わせ利用: 訪問介護+通所サービス+ショートステイなど、柔軟な組み合わせがカギ。
- 地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する: 介護プランをプロが提案してくれます。
- 施設入所の検討: 在宅介護が難しくなったときの選択肢として、早めに情報収集を。
介護の不安を地域で支える
群馬県沼田市を拠点に福祉・医療サービスを展開している「社会福祉法人久仁会」や「医療法人社団大誠会」では、重度介護が必要な方に向けた入所施設、訪問サービス、リハビリ対応など、総合的な支援を行っています。要介護5の方の在宅支援に不安がある方も、ぜひご相談ください。
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まとめ
「要介護5」は介護が最も必要とされる状態ですが、手厚い支援が制度として整っています。
重要なのは、一人で抱え込まず、専門家や地域の福祉資源を活用すること。
ご本人が少しでも穏やかに過ごせるよう、家族も無理をせず、支援の手を借りながら向き合っていくことが大切です。
\ お困りの方はお気軽にお問い合わせください /
医療法人大誠会内田病院 地域医療連携室
TEL)0278-24-5329
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