地域で暮らす障害者の災害対策とは?避難支援と備え

地震、台風、大雨、豪雪――
日本では自然災害が避けられない中で、障害のある方が地域で暮らしていくには、「もしも」に備えた準備が欠かせません。

特に在宅生活を送る障害者や、地域のグループホーム・福祉施設に通う方にとって、「避難の手段」「必要な支援」「情報の受け取り方」などは命にかかわる問題です。

この記事では、群馬県沼田市を中心に、障害者の災害対策として今できる備えや、活用できる制度・サービスをご紹介します。


目次

◆ 障害のある人は、災害時にどんな困難がある?

障害の内容や程度によって、災害時に直面するリスクや課題はさまざまです。

障害の種別想定される困難
視覚障害情報の把握・避難経路の確認が難しい
聴覚障害避難情報や緊急放送が聞こえにくい
知的・発達障害急な環境変化への対応が難しい、パニックの可能性
身体障害階段や段差の多い避難経路が障害になる
精神障害大きな音や人混みにより強い不安・混乱が生じる可能性

さらに、「支援を求めることができない」「助けてと言い出せない」という心理的ハードルも見逃せません。


◆ 自治体による「個別避難計画」ってなに?

国では、災害時に特に支援が必要な人のために「個別避難計画」の策定を推進しています。

これは、市町村が本人や家族、相談支援員などと一緒に、
「どこに逃げるか」「誰が付き添うか」「必要な物は何か」を事前に確認しておく計画のことです。

● 沼田市の取り組み(2024年度)

  • 高齢者、障害者、要医療者などを対象に、避難行動要支援者名簿の作成と個別計画の整備を進行中
  • 相談支援専門員が家庭訪問などを通じて、避難方法や連絡体制をヒアリングしながら計画を作成
  • 「本人の理解しやすさ」や「地域との連携」も大切にされている

◆ 障害福祉サービスと連携した防災対策

地域の障害福祉施設でも、災害時に備えたさまざまな取り組みが進んでいます。

▶ 久仁会の取り組み

  • グループホームや生活介護施設にて定期的な避難訓練を実施
  • 障害の特性に配慮した避難誘導マニュアルを用意
  • 家族・支援者・近隣住民との連携による共助の体制づくり
  • 非常食・薬・水・充電器などを個別に備蓄し、個々の状況に応じた対応ができるよう準備

災害時には「障害があるからこそ必要な配慮」が求められるため、普段から支援者が関わる福祉施設との連携はとても重要です。


◆ 家庭でできる備えチェックリスト

避難所に行く前に、まずは家庭内でも次のような備えを確認しておきましょう。

非常持出袋の中身を家族で確認(障害特性に合わせて)
ラジオや音声端末、筆談ボードなど情報取得手段の準備
日頃から支援者・近隣との連絡体制を確認
本人が安心するもの(ぬいぐるみ、音楽など)を備蓄
福祉避難所の場所を確認(自治体HPや福祉課に問い合わせ)


◆ 避難所に行けないときの選択肢も

避難所の環境が合わず、逆にストレスや混乱が強くなる場合もあります。

その際は、次のような「代替避難」を検討するのも一つの方法です。

  • 支援者宅やグループホームなど“慣れた環境”へ避難
  • 車中泊や一時的なホテル避難(自治体との連携が必要)
  • 相談支援員と避難方法をあらかじめ話し合っておく

◆ まとめ|「備え」は、障がいのある人の安心につながる

災害時は誰しも不安になりますが、障害のある方にとってはより深刻な問題になります。
その不安を少しでも軽くするには、平常時の備えと周囲の理解・支援が不可欠です。

群馬県沼田市では、障害者支援の専門機関や法人(例:久仁会)が、福祉サービスと防災を両立させる取り組みを進めています。
まずは「避難計画って必要かな?」「誰に相談したらいい?」という段階から、遠慮なく支援機関に相談してみましょう。


今は何も起きていなくても、「そのとき」が来てからでは遅いかもしれません。
安心して地域で暮らし続けるために、あなたとご家族の“防災力”を一緒に育てていきましょう。

\お気軽にご相談ください/

みんなのための障がい支援センター

障がい福祉に関するご相談やサービスのご利用計画を専門員が無料で対応します

TEL:0278-25-8311

Mail:minnanotameno@kyujinkai.com

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